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犬のてんかんとは?原因や症状、治療法を紹介|獣医師が解説

てんかんとは?

てんかんは、「てんかん発作」を引き起こしてしまう病気です。医学的には「24時間以上あけて2回以上の非誘発性てんかん発作を生じる病態」と定義づけられています。「てんかん発作」にはさまざまなパターンがありますが、痙攣や震えなどが代表的です。ヒトでもよく見られる病気ですが、犬でもよく見られる神経疾患の1つです。今回は犬のてんかんについて詳しく解説します。

 

てんかんの症状について

てんかんの症状は主に「てんかん発作」です。一口にてんかん発作と言っても、さまざまな発作への対応が存在します。発作の種類は大きく「焦点性発作」と「全般発作」との2つに分類され、それぞれ認められる症状に特徴があります。焦点性発作は脳の一部で異常な電気活動が起きた場合を指し、「小発作」や「部分発作」と呼ばれることもあります。全般発作は脳全体で異常な電気活動が起きた場合を指し、「大発作」と呼ばれることもあります。それぞれの発作型でよく見られる症状としては、下記のようなものが挙げられます。

 

<焦点発作>

・落ち着きがない

・四肢や顔の筋肉を痙攣させる

・唾液がたくさん出る

・自分の尻尾を追い回す

・空中のハエを噛むような行動をする

・口をぺちゃぺちゃする

<全般発作>

・全身の筋肉が硬直する

・手足をガクガク震わせる

・放心状態になる

・意識がなくなる

・全身の痙攣

・犬かきのような動き(遊泳運動)をする

・全身の筋肉を脱力させる

 

これらの症状は一見すると発作に見えないこともあり、見逃されてしまうことも多いため注意が必要です。

発作が何分も継続したり、意識の回復がないまま次の発作に移行したりする状態を「発作重積」と呼びます。発作重積は命に関わるため、すぐに動物病院へ向かいましょう。他にも1日に何度も発作を起こす「群発発作」と呼ばれる病態もあり、同様に注意が必要です。

 

てんかんの原因について

てんかんは原因により以下の3タイプに分けられます。

特発性てんかん

犬で最もよくみられるてんかんが、この特発性てんかんです。特発性てんかんでは、発作の原因が検査を行っても明らかな病変が認められず、原因不明であることがほとんどです。

症候性てんかん

脳に腫瘍や炎症などが存在し、それらがてんかんの原因となっているものを指します。

潜因性てんかん

潜因性てんかんでは症候性が疑われるが明らかな異常がないものや特発性と考えられるが遺伝的素因や発症年齢が当てはまらないものを指します。

 

てんかんの診断について

てんかんを疑う痙攣や震え、行動異常などのてんかんを疑う症状を問診やビデオなどで確認します。その後、血液検査やレントゲン検査、エコー検査などを行い、ほかに発作の原因となっている原因がないか確認します。明らかな異常が無ければてんかんと診断されます。特発性てんかんと症候性てんかんを見極めるためには、さらにMRI検査なども必要になります。

 

てんかんの治療について

特発性てんかんでは、6ヶ月に2回以上、発作が見られる場合に治療を開始することが多いです。基本的には抗てんかん薬の内服を毎日行う必要があります。定期的に血液検査を行い、血液中の薬物濃度を確認する必要があります。

脳に腫瘍や炎症などが見られる症候性てんかんの場合は、それらの治療を行います。脳の手術を行う必要がある場合、一般的な病院では実施が難しいため、専門の二次診療施設への紹介が必要になることがあります。

 

てんかんの予防法について

残念ながら、てんかんの発症を予防することは基本的にはできません。発症してしまった場合は、抗てんかん薬により、発作の頻度や程度を減らしていくようにしましょう。

 

発作が起きた場合の対処法について

自宅で発作が起きてしまった場合、発作をすぐに止めることはできません。発作中にケガをしないように、まわりをタオルなどで囲ってあげると良いでしょう。発作が長く続く場合や1日に何度も繰り返す場合は「発作重積」や「群発発作」が疑われます。早めに病院を受診し、獣医師の診察を受けるようにしましょう。