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軟部外科・整形外科 SURGERY

軟部外科・整形外科について

あらゆる外科手術に
対応するために

外科では軟部外科・腫瘍外科・整形外科の専門診療を行っています。
軟部外科では、小腸などの消化管外科やヘルニアなどの整復術、腎・泌尿器などの手術が対応可能です。腫瘍外科では腫瘍科認定医が腫瘍の摘出術を行います。
整形外科 に関しては外科専門医と提携し、骨折・膝蓋骨脱臼、前十字靭帯断裂などの専門治療を行っています。

当院の軟部外科・
整形外科の特徴

01 豊富な手術実績を持つ
専門医による執刀

当院では腫瘍科認定医を持つ獣医師により手術を行なっています。
またWVC(海外セミナー)やHJS(国内外科セミナー)に参加することで最新の手技を手術に生かしています。

02 高度な症例でも
対応可能な充実の手術設備

当院では幅広い疾患に対応できる様に最新の設備を導入しています。
手術専用の手術室には血管凝固装置、整形用ドリル、内視鏡、歯科ユニットなどを用意し幅広い手術を可能にしています。

ソニシジョン

超音波凝固切開装置。組織の迅速な切開と止血性能の確保を可能にします。コードレスとなっているため細かな操作が可能です。大きく、多数の血管が入り込んだ腫瘍において素早い血管処理により手術のスピードを早くし、動物への負担を軽減することが出来ます。

ストライカー(電動マイクロドリルシステム)

整形外科の時に使用します。先端のアタッチメントを変える事で様々な用途に使えます。骨折におけるピンニング、プレート固定時のドリリング、椎間板ヘルニアにおける骨の切削など精密な処置が可能です。骨折整復、膝蓋骨脱臼整復、前十字靭帯断裂整復で主に使用します。

内視鏡

謝って飲み込んでしまった異物の摘出の際に使用します。様々な鉗子を使用することで開腹手術をしないでのアプローチが可能です。その他には、下痢・嘔吐の際に消化管精査としての生検が可能です。

超硬剪刀ノアールメッツェンバウム

チタン合金コーティングと超硬チップにより通常の手術で使用するハサミに比べ切れ味と耐久性に優れています。全ての外科手術の際にこの特別なメッツェンバウムを使用しています。

03 セカンドオピニオンにも対応
軟部外科から整形まで幅広い疾患に対応

外科専門医と連携することで軟部外科のみならず整形外科まで治療を行う事が可能です。

セカンドオピニオンを
ご希望の方

診療対象

当院ではセカンドオピニヨンでの治療にも対応しています。
ご希望の方は以下の物を持参してご来院下さい。

  • 狂犬病、混合ワクチンなどの証明書
  • 血液検査、画像検査、細胞診・病理検査などの各種検査結果
  • 現在までの経過が分かる報告書(有ればで大丈夫です)

対応している具体例

  • 他院で設備的に難しく手術を断られた
  • 他院で高度医療の動物病院を勧められた
  • 大きな二次診療施設を勧められたが、寄り添った治療をしてくれる病院で治療したい
  • 手術での治療が良いのか内科での治療が良いか悩んでいる

当院での麻酔、
鎮痛に関する考え方

麻酔・手術に対する
当院のポリシー

  • 01

    正確な麻酔前検査:麻酔処置の前には、検査いASA分類(アメリカ麻酔学会)に基づいた手術・麻酔のリスクを評価します。

  • 02

    適切な麻酔管理:手術中には血圧・心電図・二酸化炭素濃度などをモニターし、異常が起こった場合には細かく麻酔の調節を行います。

  • 03

    積極的な疼痛管理:麻薬系の麻酔薬を用いる事で、痛みが強い症例に対しても十分な鎮痛が可能です。動物の痛みに合わせて鎮痛剤を選択します。

  • 04

    術後ケア:手術が終わった後にも丁寧なケアをします。内科治療や、フード管理など総合的な治療で術後の動物を支えます。

先制鎮痛、マルチモダール鎮痛について

先制鎮痛とは

手術前に鎮痛剤を投与することで、手術後の疼痛を軽減する方法です。
神経が痛みの刺激を受けて記憶する前に、鎮痛処置を行うことで良好な効果が得られることがわかっています。

マルチモダール疼痛とは

作用の異なる鎮痛・麻酔薬を用いることで一つひとつの薬の用量を減らす事と鎮痛のコントールがしやすくなるという考え方です。
当院ではフェンタニル・モルヒネ・ケタミンなどの薬をうまく組み合わせることで鎮痛と麻酔の調節を行なっています。

当院の治療例

軟部外科の治療例

胆嚢粘液嚢腫とは胆嚢に分泌される粘液が胆嚢内にたまってしまう疾患です。粘液が胆汁の出口胆管を塞ぐことにより黄疸などの症状が出ます。胆汁の排出を促す薬や点滴により改善することもありますが、内科治療に反応しない場合には胆嚢が破裂(胆嚢破裂)してしまうこともあります。疾患の重症度により内科治療か外科治療かの見極めが重要になってきます。また、内分泌機能の異常と関連することが多いため基礎疾患(甲状腺機能低下症やクッシング症候群)の精査が重要になります。

整形外科の治療例

骨折はその部位に骨折により大きく治療が異なります。例えば指骨の骨折であれば髄内ピンによる固定、開放性の骨折であれば創外固定などが選択されます。橈骨などの長骨骨折に対しては一般的にプレート固定による治療を行います。プレートを固定するためにはスクリューが必要になります。小型犬では長骨の断端での骨折が多いため、スクリューを打ち込む場所を確保することが難しいです。(骨が細く、断端で骨折しているため、スクリューが骨の折れた部位と重なってしまう)そのため本症例ではプレートを2枚用いる事で(ダブルプレート法、スクリューの位置をずらして、プレートを固定しています。

対応している外科治療

多数の治療実績に基づき
幅広い外科治療に対応しています

軟部外科

眼科

角膜炎(眼瞼フラップ・瞬膜フラップ)
緑内障(眼球摘出術、義眼)
チェリーアイ(チェリーアイ整復術※ポケット法)

口腔・歯科

歯周病(抜歯※分割抜歯、口腔粘膜フラップ)
口内炎(全臼歯抜歯)

消化器

胃内異物(胃内異物摘出※胃切開・内視鏡)
腸管内異物(腸管内異物摘出※腸管切開・内視鏡)
幽門狭窄(幽門形成術)
胃拡張・胃捻転(胃ガス抜去、胃捻転整復術、胃固定術)
生検(腸全層生検)
会陰ヘルニア(会陰ヘルニア整復)
食道裂孔ヘルニア(食道裂孔ヘルニア整復術)
巨大結腸(結腸亜全摘術)
炎症性ポリープ(粘膜プルスルー)

内視鏡

異物摘出(胃内・腸管内異物摘出)
生検(胃内生検、腸管内生検)

呼吸器

横隔膜ヘルニア(横隔膜ヘルニア整復術)
心膜横隔膜ヘルニア(心膜横隔膜ヘルニア整復)

肝胆道系

胆嚢炎(胆嚢穿刺、胆嚢切除)
胆嚢粘液嚢腫(胆嚢摘出)
胆管結石(胆管結石摘出)
門脈体循環シャント(門脈体循環シャント整復)

泌尿器

尿管結石(尿管切開・尿管結石摘出、尿管膀胱吻合、SUB※バイパス手術)
膀胱結石(膀胱切開・膀胱結石摘出)
尿道結石(尿道切開・尿道結石摘出)

生殖器

膣ポリープ(膣ポリープ切除※会陰切開)
子宮蓄膿症(卵巣・子宮摘出術)
潜在精巣(潜在精巣摘出)
難産(帝王切開)
前立腺炎(前立腺大網被嚢術)

腫瘍外科

眼の腫瘍

眼瞼腫瘍(眼瞼腫瘍摘出術※V字切開)
眼球腫瘍

口腔内の腫瘍

口腔内腫瘍(口腔内腫瘍摘出術、上顎骨切除術、下顎骨切除術、食道チューブ設置)

消化器の腫瘍

胃腫瘍(胃部分切除、胃・十二指腸吻合術※ビルロート)
小腸腫瘍(小腸端々吻合術、腸切開)
膵臓腫瘍(膵臓切除術)
直腸腫瘍(粘膜プルスルー)
肛門腫瘍(肛門腫瘍摘出※肛門嚢摘出)

呼吸器の腫瘍

肺の腫瘍(肺葉切除)

肝胆道系の腫瘍

肝臓腫瘍(肝葉切除※部分)
胆管がん(胆嚢摘出)

泌尿器の腫瘍

腎臓腫瘍(腎臓摘出)
膀胱腫瘍(膀胱切除)

生殖器の腫瘍

精巣の腫瘍(精巣摘出)
卵巣の腫瘍(卵巣・子宮摘出)
乳腺腫瘍(乳腺部分摘出、乳腺片側全摘、乳腺両側全摘)
膣腫瘍(膣腫瘍切除)
前立腺腫瘍(前立腺摘出)

皮膚の腫瘍

皮膚腫瘍‥肥満細胞腫、軟部組織肉腫など(皮膚腫瘍切除、皮弁形成)
四肢・指の腫瘍(断脚、断趾)

その他の腫瘍

甲状腺腫瘍(甲状腺摘出)
脾臓腫瘍(脾臓摘出)
試験開腹
リンパ節郭清

整形外科

骨折

ロバートジョーンズ包帯
髄内ピン
プレート固定
創外固定

膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼整復(造溝術・脛骨粗面転移)

股関節脱臼

股関節脱臼整復(非観血)

レッグペルテス
(大腿骨頭壊死)

大腿骨頭切除

十字靭帯断裂

関節外法

執刀医紹介

院長 上野雅祐 Masahiro Ueno

資格・所属学会

  • 獣医腫瘍科認定医II種
  • ヒルズ栄養学コース修了
  • Royal Canin Canine and Feline Clinical Nutrition Course
    修了
  • 日本小動物歯科研究会 歯科レベル2
  • 日本小動物歯科研究会 歯科レベル4

診療の流れ

01

ご来院・問診・診断

●問診
動物の状態を詳しくお聞きします。
●診察
丁寧に全身状態を診る事で見落としがないようにします。手術が必要かの判断をし、適切な検査をご案内します。動物の状態、飼い主様のお気持ちを配慮した上で、その動物にあった治療・手術の相談をします。

02

検査

手術前の検査では主に血液検査とレントゲン検査を行います。 動物の年齢、健康状態に合わせて追加で腹部・心臓超音波検査、細胞診検査などを追加します。精密な検査が必要な場合にはCTなどを勧めることもあります。
動物の状態に合わせた適切な検査を行う事で、麻酔・手術の際のリスクを正確に評価します。リスクが高い場合には改めて手術を行うかの相談をします。

03

手術プランの説明

①診察、②検査の結果を基に手術のプランニングをご説明します。
手術前の治療の必要性、手術方法が複数ある場合にはそれぞれのメリット、デメリットを伝えた上で、その動物に最適な治療を提案します。また、手術中や術後の合併症なども伝え、数少ないリスクに対し備えます。

04

手術前日

手術前日の夜9時以降は食事を与えないようにして下さい。お水は飲んでも大丈夫です。
手術の2〜3日前は出来る限りストレスをかけないようにシャンプー等はひかえ、普段通りの生活を心がけて下さい。手術日までに、体調の変化が認められた場合には病院へご連絡下さい。体調によっては手術を延期します。

05

手術当日

当日は朝の9時以降はお水を飲ませないようにして下さい。手術当日の午前中にお預かりします。ご予約したお時間にご来院ください。手術は原則、お昼に行います。その日の診療状況より前後する場合がありますがご了承下さい。当日に退院する場合、手術終了後、麻酔から覚醒した頃(17時など)にご家族の方からお電話で様子の確認のご連絡を下さい。お問い合わせ時の状況によりお迎え時間を決めております。

06

麻酔・手術

●手術の方法(導入)
最初に鎮静剤を使用して眠くしてから気管挿管しガス麻酔(イソフルラン)で維持します。術部の毛刈りと消毒を丁寧に行い、執刀までの準備をします。
●麻酔に関して
ガス麻酔で維持している間は麻酔の管理者が各種モニタリングをします。心電図・血圧・SpO2(酸素化)・二酸化炭素を細かくチェックして変化が起こった場合には麻酔を調節することで対応します。高齢や基礎疾患があるなど麻酔リスクが高い動物に対しては、一般的な手術の時とは異なる麻酔薬や、鎮痛薬、血管収縮薬などを使用することで麻酔リスクを下げるようにしています。
●鎮痛に関して
全ての手術で術後の鎮痛剤を使用します。

07

術後ケア

●麻酔後の覚醒に関して
麻酔から覚めた後でも動物の状態に変化がないかを注意深く見守ります。動物の状態に合わせ必要な薬の投与を行い、入院治療へと継続します。
入院に関しては動物の状態や手術の内容によって入院期間が変わります。入院中には体温・心拍・呼吸数のチェック、必要な場合には血液検査や画像検査を行い、動物の状態を把握した上で注射や薬の投与、点滴を行います。入院中、フードを食べない動物に対しては補助して栄養給餌を行います。入院治療を無事終えたら退院になります。
退院時には、動物の状態と検査経過をお伝えし、帰宅後のフードやケアの方法、生活で注意してもらうことなどをお伝えします。術後2〜3日で手術部位のチェック、7〜10日後に抜糸となります。また、抜糸後も定期的な検査により術後の定期検診を行います