「ワンちゃんのリンパ節が腫れているけど、これってリンパ腫の初期症状じゃないかな?」
「リンパ腫という怖い病気があることを知った。どんな初期症状があるのか知っておきたい。」
このようにお考えではありませんか?
一口にリンパ腫といっても複数の種類があるため、それぞれの初期症状を知り、適切な行動をとることが大切です。
この記事では、犬のリンパ腫の初期症状について解説しています。
なお、犬のリンパ腫は放置すると深刻な健康問題にもつながるため、初期症状が見られた段階で病院を受診することが重要です。少しでも不安がある場合は、腫瘍認定医が在籍する当院までご相談ください。
当院の腫瘍治療について
目次
犬のリンパ腫の初期症状
犬のリンパ腫は、リンパ組織ががん化した状態です。初期症状として体表リンパ節の腫れが最も一般的ですが、発生部位によって症状が以下のように異なります。
リンパ腫の種類 | 初期症状 |
---|---|
多中心型 ※もっとも多い | ・体表リンパ節の腫大 ・食欲不振、元気消失、体重減少などの全身症状 |
消化器型 | ・慢性的な下痢や嘔吐、食欲不振、体重減少 ・腹部の不快感や痛みによる姿勢の変化、腹部の膨満感 |
縦隔型 | ・呼吸困難や咳などの呼吸器症状 ・高カルシウム血症による多飲多尿や食欲不振 |
皮膚型 | ・皮膚の赤み、局面(軽度の腫れ)、びらんや潰瘍、落屑(フケ)、結節(腫瘤)など |
それぞれ詳しく解説していきます。
多中心型の初期症状
多中心型リンパ腫は犬のリンパ腫の中でもっとも多く、その初期症状として最も特徴的なのは、体表リンパ節の腫大です。
特に顎、脇の下、内股、膝の裏側などにあるリンパ節が腫れることが多く見られます。これらのリンパ節は通常、硬く、可動性があり、痛みを伴わないことが多いです。
しかし、リンパ節の腫れ以外にも、食欲不振、元気消失、体重減少などの全身症状が現れることがあります。
消化器型の初期症状
消化器型リンパ腫の初期症状としては、慢性的な下痢や嘔吐、食欲不振、体重減少が見られます。これらの症状は徐々に進行し、長期間持続することが多いです。
また、腹部の不快感や痛みによる姿勢の変化、腹部の膨満感なども観察されることがあります。
消化器型リンパ腫の症状は他の消化器疾患と類似していることがあるため、早期発見が困難な場合があります。
縦隔型の初期症状
縦隔型リンパ腫の初期症状としては、呼吸困難や咳などの呼吸器症状が主に見られます。これは腫瘤による圧迫や胸水貯留が原因です。
また、高カルシウム血症を伴うことが多く、これにより多飲多尿や食欲不振などの症状が現れることもあります。
なお、縦隔型リンパ腫は犬のリンパ腫の中でも比較的まれな形態で、リンパ腫全体の約5%に留まります。縦隔型リンパ腫は、胸腔内の前縦隔リンパ節や胸腺、あるいはその両方に腫瘤を形成することが特徴です。
縦隔型リンパ腫の症状は、腫瘤の大きさや位置によって異なり、初期段階では軽微な症状しか示さないこともあるため、定期的な健康診断が重要です。
皮膚型の初期症状
犬の皮膚型リンパ腫の初期症状は、一般的な皮膚疾患と似ているため、診断が難しい場合があるので注意が必要です。
主な初期症状として、皮膚の赤み、局面(軽度の腫れ)、びらんや潰瘍、落屑(フケ)、結節(腫瘤)などが局所的または多発的に現れることがあります。
これらの症状は、体のどの部分にも発生する可能性がありますが、特に頭部、胴体、四肢に多く見られます。また、皮膚と粘膜の境界部や口腔粘膜に病変が現れることもあります。
強いかゆみを伴う場合もあり、これがアトピー性皮膚炎や細菌性皮膚炎との区別を難しくする要因となっています。
犬のリンパ腫の初期症状を放置するとどうなる?深刻な健康問題につながることも
リンパ腫は全身性の疾患であるため、治療せずに放置するとリンパ節の腫大がさらに進み、内臓にも浸潤していきます。これにより、呼吸困難、重度の消化器症状、臓器不全などの深刻な合併症が生じる可能性があります。
また、病態の進行に伴い食欲低下や体重減少が顕著になり、全身状態が急速に悪化することがあります。
犬のリンパ腫は初期症状がみられる段階で病院に連れていくことが大切
犬のリンパ腫は初期症状が見られた段階で、速やかに動物病院を受診することが非常に重要です。
早期発見と適切な治療開始は、犬の生存期間を延ばし、生活の質を維持するために不可欠です。また、定期的な健康診断を受けることで、飼い主が気づきにくい初期症状を発見できる可能性が高まります。
リンパ腫は進行が速い場合があるため、症状を放置せず、迅速な対応が犬の健康を守る鍵となるでしょう。
「これってリンパ腫の初期症状かな?」という不安がある場合は、ぜひ当院にご相談ください。腫瘍の専門医が在籍しているため、精度の高い診察と適切な治療提案が可能です。
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