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犬の肝臓腫瘍は高齢で発症しやすい!考えられる理由や高齢手術の可否について解説

更新日:2025年8月31日  公開日:2025年8月31日

犬の肝臓腫瘍は高齢で発症しやすい!考えられる理由や高齢手術の可否について解説

犬の肝臓腫瘍は、高齢で発症しやすいとされています。加えて、普段の様子からは気づきにくい病気のため、「健康診断を受けてみたら、かなり進行した肝臓腫瘍が見つかった」というケースも珍しくありません。

ここでは、高齢犬における肝臓腫瘍の発症リスクや、高齢手術の可否について解説します。

高齢犬の肝臓腫瘍をどう治療するかは、腫瘍の状態や手術のリスクを客観的に評価したうえでの慎重な判断が求められます。「愛犬のための最善の選択がわからない」「他院での診断に不安が残っている」という場合は、犬猫の腫瘍にて1000症例を超える治療実績がある当院にご相談ください。

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この記事の監修者

上野雅祐

上池台動物病院の院長を務める。海外でのセミナーや国際学会、海外大学への短期留学などでジャンルに囚われない幅広いスキルを磨き、外科・腫瘍・皮膚等の専門的で総合的な治療を提供する。

監修者情報

▼略歴

  • 麻布大学 獣医学科卒業(学業成績優秀者)
  • 千葉県 中核の動物病院にて勤務医
  • 神奈川県 外科認定医・整形専門病院にて勤務医
  • 専門病院にて一般外科・整形外科に従事
  • 日本小動物がんセンター 研修医


▼所属学会・資格

高齢犬における肝臓腫瘍の発症リスク

高齢犬における肝臓腫瘍の発症リスク

犬の肝臓腫瘍は、若齢よりも高齢に多く、発症リスクも高いことが知られています。原発の腫瘍(肝臓そのものから発生するがん)は全体の0.8〜2.3%と少ないですが、悪性腫瘍の肝転移(肝臓外から転移してくるがん)に関しては7〜36%と比較的多いです。

発症の平均年齢は10〜11歳で、メスよりもオスの方が発生頻度が高い傾向にあります。なお、犬種による発生頻度の差はありません。

犬の肝臓腫瘍が高齢で発症しやすい理由

犬の肝臓腫瘍が高齢で発症しやすい理由

犬の肝臓腫瘍が高齢で発症しやすい理由は、はっきりとわかっていません

当然、加齢による細胞の老化や、発がん性物質の蓄積は考慮すべきでしょう。しかし、通常の飼育状態であれば、発がん性物質に生体が晒されることは考えづらいため、やはり原因ははっきりと特定できません。

腹腔内の腫瘍は、画像検査(レントゲン検査や超音波検査など)を行った際に偶発的に見つかる場合が多いです。普通に過ごしていると病気に気づきにくく、高齢になった際の健康診断で見つかるケースが多いことも、「高齢での発症」の印象が強まりやすい要因といえます。

犬の肝臓腫瘍(肝臓がん)の余命についてはこちら

高齢犬でも肝臓腫瘍の手術はすべきか

高齢犬でも肝臓腫瘍の手術はすべきか

高齢犬の肝臓腫瘍でも、孤立性(他の部位に広がっていない状態)であれば手術が第一選択の治療です。良性・悪性にかかわらず、腫瘍が巨大である場合は手術適応となります。

肝臓腫瘍が他の部位に広がっておらず、完全切除できた場合には、予後は高齢犬でも良好だとされています。

もし愛犬に肝臓腫瘍が見つかってしまったら、必ずスクリーニング検査と、肝機能の障害評価を正確に行いましょう。検査結果以外にも、予防歴や基礎疾患の有無、腫瘍による臨床症状があるのかどうかを含めて総合的に重症度を判定していきます。年齢も含め、麻酔・手術の危険性を客観的に評価した上で、手術を受けるべきかどうかを判断します。

場合によっては、セカンドオピニオンも検討すべきでしょう。

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高齢犬の肝臓腫瘍に対し「あえて手術しない」という選択肢はあるのか

高齢犬の肝臓腫瘍に対し「あえて手術しない」という選択肢はあるのか

結論からいえば、場合によっては手術が最適解ではないこともあります

他の部位に広がっていない状態の腫瘍でも、腫瘍の位置や大きさによって手術の難易度は大きく異なります。腫瘍の状態に加え、肝機能や一般状態、年齢などを総合的に判断して、場合によってはあえて手術しないという選択もあります。

また、

  • 手術を行うことによって体調が悪化する可能性が高い場合
  • そもそも体力がかなり落ちてしまっていて対症療法(症状を和らげたり一時的に楽にしたりする治療)に反応しない場合

は、残念ながら手術適応ではありません。

加えて、非常に高齢であり、他の疾患を併発しているわんちゃんの場合は、寿命内であれば腫瘍が問題にならない可能性もあります。この場合も、積極的な治療を行わずに、あえて手術をしないこともあります。

肝臓腫瘍を発症した高齢犬に対する緩和ケアの内容

肝臓腫瘍を発症した高齢犬に対する緩和ケアの内容

緩和ケアとは、がんと診断されたわんちゃん自身とそのご家族のQOLの向上を目的としたケアです。

手術や抗がん剤のような積極的な治療はせず、がんによる苦痛を和らげることに注力し、できるだけもとの生活を問題なく送れるようにサポートします。

痛みによって元気がない場合疼痛管理を行う。一種類の薬では効かない場合には多剤併用を行ったり、回数を増やしたりする。
食欲が落ち込んでいる場合食事療法として給餌の指導や高消化性経腸流動食の処方、または食欲増進剤の投与を行う。
お口からの食事の摂取が困難な場合胃瘻チューブや食道チューブを設置する。薬や流動食をチューブで投与することで、誤嚥や食事の負担を減らす。
脱水が認められている場合点滴を行う。
自力歩行が難しい場合マッサージの指導を行い、筋肉の緊張をほぐして刺激を与えつつ、血行を促進する。

腫瘍が進行していくと、段々と横になる時間が多くなります。片側のみでの姿勢を維持し続けてしまうと、それが床ずれの原因になることもあります。細かい体位変換やクッションなど、さまざまな対策を行い、なるべく床ずれが起きないようにしていきます。それでも床ずれが起きてしまった場合には、それ以上の拡大を防ぐためにも消毒を実施したりガーゼをあてたりして治療していきます。

なお、ステロイドは腫瘍の治療に必須ですが、肝臓に負荷がかかりやすく、膀胱炎の発症リスクを高めます。パンティングや医源性クッシング症候群の原因にもなるため、一時的なステロイドの休薬は緩和ケアの観点からは有効です。

症状や変化を見落とさないように心掛け、わんちゃんがなるべく快適に暮らせるように努めます。

動物病院としては、飼い主様と積極的にコミュニケーションを取りながら、治療やケア、ご自宅での良い接し方を提案していきます。

犬の肝臓腫瘍(肝臓癌)の痛みについてはこちら

まとめ

まとめ

高齢犬になると、肝臓腫瘍を発症しやすくなるのは事実です。孤立性(他の部位に広がっていない状態)であれば手術が第一選択とされているものの、腫瘍の状態に加え、肝機能や一般状態、年齢などを総合的に判断して手術をしない選択をするケースもあります。

手術を実施する場合は危険性の客観的な評価が欠かせません。不安が残る場合は、信頼できる動物病院でのセカンドオピニオンも検討しましょう。

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