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症例報告 CASE

多形紅斑の症例報告【総合診療科】

軟部外科

13歳 雑種の男の子です。

腹部、鼠径、脇の下の皮膚のただれを主訴に来院されました。

皮膚炎なのかなと思ったのですが‥皮膚のびらんが全身に広がっています。

これは手術後の写真なのですが、結論から言うと実は内臓の腫瘍と関連した皮膚病だったのです。

上記写真の手術の前にレントゲン検査、エコー検査により15cmほどの脾臓腫瘍が見つかりました。

同時に動脈内には血栓も

病態が複雑だったのですが丁寧に考え、治療として脾臓摘出と皮膚生検を同時に行い、その後に血栓に対しての治療を行いました。

まずは脾臓摘出

ハンドボールくらいの腫瘍を摘出。

病理検査の結果では 脾臓は「脾臓肉腫 低グレード」 皮膚は「多形紅斑」 と診断されました。

「多形紅斑」は免疫介在性疾患で、重症度の高いものに関しては入院管理での治療が必要になるくらい恐ろしい病気です。

何らかの抗原(薬物、細菌、食物、接触物、ウイルス、腫瘍)に対して発症するものと考えられています。

今回は脾臓腫瘍に関連して発生したと考えられたため、脾臓摘出を行い免疫治療を行なったところ‥

皮膚はすっかり良くなりました♪また血栓に関しては今現在も良くコントロールできています。

まとめると脾臓腫瘍→免疫が関与した皮膚の病気→血栓?という複雑な病態です。一見、皮膚病のみに思われる病態でも今回の様に別の要因が複雑に関与している場合があります。

当院ではこの様な複雑な疾患に対してもトータルケアでの治療を行うことが可能です。是非ご相談下さい。