「愛犬の胸のしこりが急に大きくなってきた…痛がる様子がないから放置していたけど、もしかして悪性?」
「このまま放置しておくと、命にもかかわる?」
このような不安を抱えている方もいるでしょう。
結論からいうと、犬の乳腺腫瘍は良性であっても、未処置のままだと徐々に大きくなります。
この記事では、良性の乳腺腫瘍に対してとるべき対処や、良性・悪性を見分ける基準を紹介しています。愛犬の胸のしこりが大きくなっていると感じる方は、最後までご覧ください。
なお当院には、犬の乳腺腫瘍において数多くの治療実績があります。犬の乳腺腫瘍は良性でも早期手術が望ましいため、まずは愛犬の状態について教えてください。
当院の腫瘍治療について
※本記事では、実際の腫瘍や治療の写真を掲載しています。苦手な方はご注意ください。
目次
犬の乳腺腫瘍は良性でも大きくなることはある?未処置のままだと徐々に大きくなる
犬の乳腺腫瘍は、良性であっても未処置のままだと徐々に大きくなります。
成長速度については一様ではなく個体ごとに差異があり、一見すると変化がないように見えても、長期的には成長していきます。
時間経過とともに悪性腫瘍に転化することもあり、特に今まであまり大きくなっていなかった腫瘍が突然大きくなり始めた場合には注意が必要です。
▼大きくなった乳腺腫瘍
以下の動画では、当院で実際にあった乳腺腫瘍の症例や治療についてご紹介しています。こちらも合わせてご覧ください。
※当該部分(9:42~)から再生されます
犬の乳腺腫瘍が良性の場合の特徴
犬の乳腺腫瘍が良性の場合の特徴を、以下の3つの観点から解説します。
- 腫瘍の大きさ
- 腫瘍の成長速度
- 腫瘍の見た目
腫瘍の大きさ
通常、1cm以下の腫瘤であれば、良性腫瘍である可能性が高いです。
一方、3cm〜5cmより大きい腫瘤であれば、悪性腫瘍である可能性が高くなります。
腫瘍の成長速度
月単位でサイズの確認を行なったとき、ほとんど成長が見られなければ良性腫瘍の可能性が高まります。
逆に1ヶ月で2倍にも3倍にも成長してしまう場合は、悪性腫瘍である可能性が高いです。
腫瘍の見た目
皮膚の下の硬いしこりが触れる以外に、周囲の皮膚の色とほとんど変わらない様子であれば、良性腫瘍であることが多いです。
一方、腫瘍のできた部分が赤く腫れて形が不規則である、中心部や周囲の皮膚が破けて出血しているなどの場合には、悪性腫瘍である可能性が高まります。
犬の乳腺腫瘍が急に大きくなったらどうすればいい?まずは病院に相談を
腫瘍が急激に成長した場合は良性腫瘍の悪性転化が疑われるので、まずは病院を受診し、今の本人の状態や腫瘍の成長速度などについてお聞かせください。
血液検査、レントゲン検査、細胞診検査などを実施することでより詳細に現状を把握することができます。
当院の腫瘍治療について
犬の乳腺腫瘍は手術しないとどうなる?良性でも悪性に転化する可能性がある
良性腫瘍であれば、しばらくの間は大きな変化がなく過ごすことになるかもしれませんが、時間経過とともに悪性腫瘍に転化する可能性が高まるので、早期の手術をご検討ください。
悪性腫瘍であれば、腫瘤の大きさや皮膚表面の変化(自壊、出血)が進行し、管理が難しくなっていきます。また、周囲のリンパ節や他臓器への転移の可能性も上昇します。
特に肺に転移してしまうと、手術での延命は見込めなくなり対処が困難となってしまうので、状態が良好で転移等がないうちに手術を実施してください。
まとめ
犬の乳腺腫瘍は、良性であっても未処置のままだと徐々に大きくなります。
時間経過とともに悪性腫瘍に転化することもあり、最悪は命にもかかわるため、良性であっても手術が望ましいです。
なお当院には、犬の乳腺腫瘍において数多くの治療実績があります。犬の乳腺腫瘍は早期治療が重要なので、まずは愛犬の状態について教えてください。
当院の腫瘍治療について