「猫の乳腺腫瘍を手術しない場合、余命はどのくらい?」とお考えではありませんか?
猫の乳腺腫瘍は、手術しないで放置するほどに余命は短縮します。
この記事では、猫の乳腺腫瘍を手術しない場合の余命について解説します。
猫の乳腺腫瘍は、早期発見・早期治療が重要です。少しでも不安がある場合は、腫瘍認定ドクターが在籍する当院までご相談ください。
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目次
猫の乳腺腫瘍を手術しない場合の余命
猫の乳腺腫瘍はその多くが悪性であり、手術しないで放置するほどに余命は短縮すると考えられます。
余命はサイズや転移の状況に左右されますが、特にサイズが重要です。腫瘍のサイズが2cm以下であれば数年程度の生存が見込めますが、3cmを超えると長くても1年程度と極端に余命は短縮します。
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猫の乳腺腫瘍を手術しない場合の末期症状
猫の乳腺腫瘍を手術しないで過ごした場合の末期症状としては、以下のようなものが想定されます。
- 腫瘍周囲の炎症による広範囲の腫れや赤み
- 腫瘍自体の自壊による出血・排膿と、それに伴う悪臭
- 全身状態の悪化(食欲がない、痩せる、動かないなど)
- 肺転移に伴う呼吸器の異常(息が荒い、舌が青黒いなど)
- 肝臓転移に伴う肝不全症状(目や皮膚などが黄色い、痙攣するなど)
以下は、悪性腫瘍が自壊した様子です。
肺や肝臓の症状については転移の有無により変わるので、必ず発生するわけではありませんが、併発することも想定されます。また、それ以外の臓器や組織に転移することもあるので、症状は一様ではありません。
猫の乳腺腫瘍は手術しなくても自然治癒する可能性はある?基本は悪化の一途を辿る
猫の乳腺腫瘍が自然治癒することはありません。腫れが自然と退縮したのであれば、ホルモンの影響を受けた過形成などの状況が考えられます。
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猫の乳腺腫瘍は手術しても再発する?100%の防止は難しい
猫の乳腺腫瘍は、手術時の切除の方法により再発の可能性が変化します。
通常、手術では病変部を含む乳腺の全摘出とそれら腫瘍の存在する領域を支配するリンパ節の切除が推奨されます。
ただし、このような方法で手術を実施したとしても、肉眼で捉えられない腫瘍細胞の転移が起きている場合は再発の可能性は否定できません。
猫の乳腺腫瘍は手術できないケースもある
術前検査の結果により身体に種々の問題が確認された場合は、その程度により麻酔が困難となり、手術が実施できない場合もあります。
具体的には心臓や腎臓、肝臓などの臓器に問題があり、その程度が重度である場合や、出血が止まりにくい場合などが挙げられます。
なお、腫瘍のサイズ等により手術ができないということはありません。
猫の乳腺腫瘍をあえて手術しないケースもある
以下のようなケースでは、猫の乳腺腫瘍をあえて手術しないという選択をすることもあります。
- すでに転移が広範囲に及んでいて、外科的に一部の腫瘍を切除しても寿命の延長に結びつかない場合
- 炎症生乳がんを発症し進行が早く、広範囲に浮腫や炎症が起きている場合
高齢の猫に対しても乳腺腫瘍の手術は行える?可能だが事前の検査が重要
猫の乳腺腫瘍は、高齢だから手術ができないということはありません。
ただし、高齢動物は若齢動物に比べて、隠れた異常を持つことが少なくありません。高齢ゆえの隠れた異常を把握せずに手術をすることがリスクになります。
術前に血液検査、レントゲン検査、超音波検査などをしっかりと行うことでリスクを把握し、状況に合わせた薬剤の使用や適切なモニタリングを行うことで、麻酔リスクを減らせます。
まとめ
猫の乳腺腫瘍を手術しない場合の余命は、とくに腫瘍のサイズに大きく左右されます。腫瘍のサイズが2cm以下であれば数年程度の生存が見込めますが、3cmを超えると長くても1年程度と極端に余命は短縮します。
放置すれば腫瘍は徐々に大きくなり、手術でも延命に結びつかない状態になってしまう恐れもあるため、いち早く治療を受けさせることが重要です。
少しでも不安がある場合は、腫瘍認定ドクターが在籍する当院までご相談ください。
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