完治が難しい猫のリンパ腫では、最期が近いときに積極的な治療ではなく、緩和ケアが選択されるケースがあります。
「緩和ケアに切り替えると何が変わるの?」
「緩和ケアに切り替える基準は?」
このように考える飼い主さんもいるでしょう。
この記事では、猫のリンパ腫に対する緩和ケアについて解説します。
「本当に緩和ケアに切り替えていいのか、まだ希望が捨てきれない」「緩和ケアを選択するなら、穏やかな最期になるよう最善を尽くしたい」と考える場合は、当院にご相談ください。犬猫の腫瘍にて1000症例を超える治療実績を誇る当院なら、最善な提案が可能です。 |
腫瘍の疑いがあるなら
治療実績1,000件超え
腫瘍専門医が在籍
上池台動物病院へ
全国6院 お近くの病院を見る
東京都大田区上池台5丁目38−2
神奈川県横浜市南区永田台1−2
静岡県沼津市大岡900−3
愛知県名古屋市中区大須1丁目35−42
大阪府大阪市港区弁天1丁目4−9 第3柴田ビル 104
大阪府大阪市鶴見区放出東2丁目19-8
この記事の監修者

上野雅祐
上池台動物病院の院長を務める。海外でのセミナーや国際学会、海外大学への短期留学などでジャンルに囚われない幅広いスキルを磨き、外科・腫瘍・皮膚等の専門的で総合的な治療を提供する。
- 監修者情報
-
▼略歴
- 麻布大学 獣医学科卒業(学業成績優秀者)
- 千葉県 中核の動物病院にて勤務医
- 神奈川県 外科認定医・整形専門病院にて勤務医
- 専門病院にて一般外科・整形外科に従事
- 日本小動物がんセンター 研修医
▼所属学会・資格- 日本獣医がん学会
- 日本獣医画像診断学会
- 日本小動物歯科研究会
- 日本獣医麻酔外科学会
- 日本獣医循環器学会
- 日本獣医皮膚科学会
- 獣医腫瘍科認定医Ⅱ種
- ヒルズ栄養学コース修了
- Royal Canin Canine and Feline Clinical Nutrition Course修了
- 日本小動物歯科研究会 歯科レベル2
- 日本小動物歯科研究会 歯科レベル4
目次
緩和ケアとは

緩和ケアとは、生命を脅かす病を患っている動物に対して、身体的・精神的な苦痛を和らげるためのアプローチです。
ガンを患っている動物には、ガン自体の症状以外に、痛みや倦怠感などのさまざまな症状や、精神的な苦痛があります。この際、積極的な治療を優先するのではなく、少しでも苦痛を減らして、なるべく良い状態で最期を迎えられるように努めるのが緩和ケアです。
猫のリンパ腫における緩和ケアの内容

リンパ腫を患った愛猫が上手に餌を食べられなかったり、脱水が見られたりする場合は、餌や水をお口に運んであげるお手伝いをします。必要に応じて、皮下補液で水分を補充します。
嘔吐や下痢の症状がある場合にはそれを止めるための飲み薬を、痛みがある場合には痛み止めを処方するなど、その状況に合わせた薬やサプリメントを選択します。
また、寝ている時間が長くなってしまうと排泄のトラブルや床ずれが起こりやすくなるので、適切に介護を行う必要があります。どのように介護すれば楽に過ごせるのかはその子の状態によっても変わってくるので、診察を受けた動物病院でアドバイスをもらいましょう。
猫のリンパ腫とはどのような病気か?についてはこちら
リンパ腫になった猫が死ぬ前に見せるサインについてはこちら
猫のリンパ腫において緩和ケアを選択するメリット

愛猫がリンパ腫に伴う心と体の辛さを和らげることで、本人の状態が改善されます。本人が感じる苦痛を少しでも取り除くことで、穏やかな時間が過ごせるようになるでしょう。
また、投薬や介護をご自宅でしていただくことにより、愛猫と共に病気と戦っているんだと意識しやすいかもしれません。実際に当院で愛猫のリンパ腫を治療し、最終的に緩和ケアを選択した飼い主さまからも、病気と向き合ったことで「やり切れた」「後悔はない」というお声をいただきます。
飼い主さま目線でも、少しでも楽になってくれている姿を目にすることにより、気持ちを落ち着かせることができるかと思います。
猫のリンパ腫治療を緩和ケアに切り替える場合の判断基準

リンパ腫の終末期に焦点をあてた緩和ケアへの切り替えの判断はさまざまです。
- 抗がん剤が効かなくなってしまった
- 抗がん剤の副作用が強く出てしまい使用を躊躇ってしまう
- 治療費が高く継続が難しい
- 積極的な治療を望まず自宅で穏やかに過ごしたい
など
愛猫の容態やご家庭の事情により、選ぶ基準が変わります。
猫のリンパ腫治療を緩和ケアに切り替えた場合、どれくらい生きられる?

猫のリンパ腫治療を緩和ケアに切り替えた場合、余命は数日~数週間だと思われますが、本人の頑張りやご家族のサポートで変わってきます。
また、リンパ腫の進行度、症状の出方、食事が食べれるか、通院の程度などでも変わります。
悪性リンパ腫になった猫は長生きできる?についてはこちら
リンパ腫になった猫を緩和ケアで看取る場合、心がけることは?

緩和ケアと共に、リンパ腫になった愛猫が少しでも落ち着ける環境を提供することが大切です。獣医師目線では、なるべく本人と一緒に過ごしながら、今日までのことを振り返り、心穏やかに過ごしていただきたいです。
看取るときは、どのような結果であれ後悔はつきものかもしれません。後悔よりも今日まで頑張って生きてくれたことに感謝をしながら、最後の最後までそばにいてあげてください。
猫のリンパ腫の緩和ケアに対する当院の考え方

猫のリンパ腫の緩和ケアは前述の通り、症状の管理や痛みの緩和、ご家族を含めた心身の苦痛を軽減するためのものです。
終末期に向けて少しでも生活の質を改善させてあげるという意味では、リンパ腫と診断されたときから緩和ケアは始まっています。残念ながら、猫のリンパ腫は完治が非常に難しく、長期的に寛解(一時的に症状が軽くなったり消えたりしている状態)を維持できるケースはあれど、いつかは最期が訪れてしまうためです。
積極的な治療を断念せざるを得ないとき、飼い主様は大変な想いだと思います。これで良かったと後悔のないように心の支えとなり、病院としてあらゆる面でのサポートをさせていただきます。
今、何がこの子にとって必要なことか分からないこともあるでしょう。また、状況によっては慌てることもあるかと思います。
ご不明な点がございましたら、遠慮なく当院にご相談ください。
腫瘍の疑いがあるなら
治療実績1,000件超え
腫瘍専門医が在籍
上池台動物病院へ
全国6院 お近くの病院を見る
東京都大田区上池台5丁目38−2
神奈川県横浜市南区永田台1−2
静岡県沼津市大岡900−3
愛知県名古屋市中区大須1丁目35−42
大阪府大阪市港区弁天1丁目4−9 第3柴田ビル 104
大阪府大阪市鶴見区放出東2丁目19-8