「猫のリンパ腫治療において、ステロイドなら費用が安い」と聞き、気になっている飼い主さまも多いでしょう。

結論から言えば、猫のリンパ腫治療に使うステロイドの費用は1ヶ月あたり1,500〜3,000円程度と安価である一方、その効果はかなり限定的です。

この記事では、猫のリンパ腫治療に使うステロイドの費用や、その効果について解説します。

この記事の監修者

上野雅祐

上池台動物病院の院長を務める。海外でのセミナーや国際学会、海外大学への短期留学などでジャンルに囚われない幅広いスキルを磨き、外科・腫瘍・皮膚等の専門的で総合的な治療を提供する。

監修者情報

▼略歴

• 麻布大学　獣医学科卒業（学業成績優秀者）
• 千葉県 中核の動物病院にて勤務医
• 神奈川県　外科認定医・整形専門病院にて勤務医
• 専門病院にて一般外科・整形外科に従事
• 日本小動物がんセンター　研修医

▼所属学会・資格

• 日本獣医がん学会
• 日本獣医画像診断学会
• 日本小動物歯科研究会
• 日本獣医麻酔外科学会
• 日本獣医循環器学会
• 日本獣医皮膚科学会
• 獣医腫瘍科認定医Ⅱ種
• ヒルズ栄養学コース修了
• Royal Canin Canine and Feline Clinical Nutrition Course修了
• 日本小動物歯科研究会 歯科レベル2
• 日本小動物歯科研究会 歯科レベル4

猫のリンパ腫治療に使うステロイドの費用は1ヶ月あたり1,500〜3,000円程度

猫のリンパ腫治療に使うステロイドの費用は、1ヶ月あたり1,500〜3,000円程度となることが多いです。猫のリンパ腫に対するステロイド治療では、1日1回投薬を行うことが基本であり、1日あたりの費用に換算すると50〜100円程度となります。

抗がん剤での治療と比べれば、かなり安価といえます。

猫のリンパ腫治療に使うステロイドの費用はなぜ抗がん剤より圧倒的に安いのか？

ステロイド（プレドニゾロン）は医療・獣医療においてなくてはならない薬であり、昔から使用されています。そのため、大量生産されていることから、安価に製造・流通しています。

ステロイドは、猫のリンパ腫においても多少の抗腫瘍効果があるため、抗がん剤治療を行わない場合の代替治療や、抗がん剤投与中の補助治療に使用されます。

猫のリンパ腫はステロイドのみで費用を抑えつつ治療できるのか？

本格的に治療を行い生存期間を伸ばそうとするならば、抗がん剤や放射線治療に比べると、ステロイドのみの治療では効果はかなり限定的です。

費用を抑えることができる反面、ステロイドの副作用やリンパ腫が進行するスピードなどを総合的に判断して治療をスタートする必要があります。

「費用を抑えるためにステロイドのみを使う」に対する獣医師の見解

ご家族の要望によっては、ステロイドのみで猫のリンパ腫を治療することもあります。

しかしながら、前述の通りその効果は限定的であり、副作用なども考慮しなければなりません。

また実際の現場においては、抗がん剤治療や放射線治療を受けることで寿命を大きく伸ばすことができ、飼い主さまから感謝のお言葉をいただくことが多数あります。そのため獣医師目線では、基本的には抗がん剤治療などの積極的かつ適切な治療を受けていただきたいと思っております。

とは言え、抗がん剤の費用がどうしてもネックになると考えてしまうケースもあるでしょう。そんなときは、ぜひ当院にご相談ください。

犬猫の腫瘍にて1000症例を超える治療実績がある当院なら、費用面の問題を考慮しつつ、その子の状態や飼い主さまのご事情に合わせた提案が可能です。