FIPは「致死率ほぼ100%」「発症すると10日程度で亡くなってしまう」など不治の病として恐れられていた病気です。
しかし最近では、特効薬が開発されたことで治療できるようになりました。早期に治療を行えば、かなりの確率で完治が望めます。
この記事では、FIPが完治するまでの過程や費用、実際の完治例などについてご紹介します。愛猫の健康を守りたい方はぜひ参考にしてみてください。
なお、もしあなたの愛猫がFIPを発症しているのであれば、無治療の場合は致死率はほぼ100%です。
当院には多くのFIP寛解実績があります。FIPは早期発見・治療が非常に重要なので、まずは以下より当院へご連絡ください。
当院のFIP治療について
目次
FIPは早期の発見と治療で完治する!投薬で生存率8割以上というデータも
FIPはもともと効果的な治療法がなく、死に直結する怖い病気でした。症状緩和や進行抑制を期待する対症療法はあったものの、完治にはいたりませんでした。
しかし近年、MUTIANやCFNなどの抗ウイルス薬が登場したことにより、完治が望める病気となっています。
中でもMUTIANは以下のような研究結果があり、高い有効性が期待されています。
<研究結果>
- 生存率82.2%
(FIPに罹患した猫141匹に投薬→116匹が生き残り25匹が治療中に死亡) - 投薬終了後の再発率2.5%
(84日間の投薬後に生存していた116匹中、4週間以内に再発したのは3匹)
なお、当院におけるFIPの完治実績は95%程度です(2023年3月時点)。
早期の発見と治療で完治する可能性が高いので、愛猫の様子に異変がないか日頃からよく観察したり、定期的に動物病院で検査したりすることが大切です。
当院のFIP治療について
FIPが治るまでの治療過程
FIPが治るまでの治療過程は次のとおりです。
- 病院での検査(血液検査や画像検査など)
- 治療方針の決定
- 84日間の投薬&週1ペースでの経過観察
- 再発症状がなければ月1ペースで定期検診
- 問題がなければ治療終了
まずはその子が本当にFIPなのか、正確に診断するために各種検査を実施します。
FIPと診断された場合は早急に治療方針を決定し、飼い主さんから同意を得られれば治療を開始します。投薬方法には飲み薬と注射の2種類がありますが、飼い主さん自身が自宅で実施することになるため、現在は飲み薬が主流です。
その子の体重や症状によって薬の量は異なりますが、84日間(12週間)毎日投与を続けるのが一般的です。50日程度で改善するというデータもありますが、投薬期間が不十分だと再発率が上がることがわかっているため、より完治に近づけるために投薬期間は84日となっています。
投薬期間中は1週間ごとに通院し、状態に合わせて血液検査や画像検査も実施して治療経過を細かくチェックします。
84日間の投薬後、再発症状がなければ1ヶ月毎の定期検診を行います。さらに数ヶ月後にも定期検診を行い、問題なければ治療は終了です。
当院のFIP治療について
なお、FIP治療については以下の記事でも詳しく解説しています。
▼関連記事
FIP治療とは何をするの?確実に治る?治療費の相場や治療薬の入手方法も
FIPを治すのにかかる費用は?相場は60万円〜120万円
FIPには2種類のタイプがあり、それぞれ治療にかかる費用が異なります。
<FIP治療の費用相場>
- ウェットタイプ(胸水や腹水が溜まるタイプ):60万円程度
- ドライタイプ(臓器に病変を形成するタイプ):90万円程度
- 末期の場合:120万円程度
※体重が3kgと仮定した場合
どちらのタイプに該当するかは素人目では判断が難しいため、まずは動物病院で状態を診てもらうことが大切です。
また、実際の費用は体重や骨格などによっても変動するため、上記はあくまで参考程度にとどめましょう。
当院のFIP治療について
FIPの完治例
当院における、FIPの完治例を紹介します。
①FIPドライタイプ(眼病変)|右眼の赤み、食欲減退
項目 | 内容 |
猫種 | ノルウェージャンフォレストキャット |
症状 | 右眼の赤み、食欲減退 |
診断結果 | FIPドライタイプ(眼病変:ぶどう膜炎 レッドアイ) |
治療内容 | ムティアン投与途中経過に合わせ血液検査、画像検査などを実施 |
治療経過 | 来院当日から注射薬により治療 ↓ 3日目に眼病変が改善したため飲み薬に変更 ↓ 14日目にリンパ節縮小 ↓ 現在は体重も増加し、食欲も旺盛に |
▼レッドアイの改善
▼リンパ節の縮小
②FIPウエット・ドライ混合 貧血重症|嘔吐、食欲不振
項目 | 内容 |
猫種 | ロシアンブルー |
症状 | 嘔吐、食欲不振 |
診断結果 | FIPウエット・ドライ混合 貧血重症 |
治療内容 | ムティアン投与途中経過に合わせ血液検査、画像検査などを実施 |
治療経過 | FIP重症のため来院当日から入院治療 ↓ 7日間の入院治療により貧血が少しづつ良化 ↓ 19日目にはHCT36.6%に改善 ↓ 33日目には拘束型心筋症の改善を心エコー検査にて確認 ↓ 食欲・体重も増加し「今までで一番元気!」というくらいに回復 |
▼拘束物の消失(心エコー検査による確認)
③FIPウエット・ドライ混合 貧血重症|食欲減退、腹水貯留、黄疸
項目 | 内容 |
猫種 | 雑種 |
症状 | 食欲減退、腹水貯留、黄疸 |
診断結果 | FIPウエット・ドライ混合 貧血重症 |
治療内容 | ムティアン投与途中経過に合わせ血液検査、画像検査などを実施 |
治療経過 | 3日目までは院内で投薬治療 ↓ 3日目に自宅での投薬治療に切り替え ↓ 20日目に予後不良因子であるT-bil(総ビリルビン)が0.1mg/dlとなり、腹水や消失腎腫大も改善 |
▼腹水の消失
当院におけるFIPの完治実績は95%程度です(2023年3月時点)。FIPの予兆が見られて不安を抱えている方はお気軽にご相談ください。
当院のFIP治療について
まとめ
FIPは早期発見と治療で完治を目指せます。
ただし発症後の生存期間は平均9日間ととても短いため、少しでも異変があらわれた場合は早めに動物病院を受診しましょう。
当院には多くのFIP寛解実績があります。FIPは早期発見・治療が非常に重要なので、まずは以下より当院へご連絡ください。
当院のFIP治療について