猫の​​縦隔型リンパ腫は、無治療だと数週間から数ヶ月で死に至ってしまう恐ろしい病気です。ただし、治療を行うことで数年単位の寿命を得られる可能性があります。

この記事では、猫の縦隔型リンパ腫とはどのような病気かを詳しく解説します。

猫の縦隔型リンパ腫は進行すると命に関わる病気であるものの、適切に治療を行うことで、3年以上生きられた症例もあります。今の愛猫の状態に不安がある場合、あるいは他院で治療を受けたものの反応がよくない場合は、犬猫の腫瘍にて1000症例を超える治療実績を誇る当院にご相談ください。

猫の​​縦隔型リンパ腫とは？

猫の縦隔型リンパ腫とは、胸の中央にある縦隔という部位に発生する悪性リンパ腫の一種です。主に胸腺やリンパ節に腫瘍が形成され、胸腔内の臓器を圧迫することでさまざまな症状を引き起こします。

縦隔型リンパ腫は若い猫、特に2歳以下の猫に多く見られる傾向があります。

症状としては呼吸困難や咳、食欲不振などが現れ、進行すると命に関わることもあります。

診断には画像検査や細胞診が用いられ、治療には化学療法が主に選択されます。早期発見と適切な治療が予後を大きく左右するため、定期的な健康診断が重要です。

猫のリンパ腫とはどのような病気か？についてはこちら

猫の縦隔型リンパ腫で現れる症状

猫の縦隔型リンパ腫の症状は、初期から末期にかけて段階的に変化します。

初期	軽度の咳や呼吸が浅くなるなどの症状が現れます。食欲が低下し、元気がなくなることもあります。
中期	腫瘍が大きくなるにつれ、呼吸困難が顕著になり、胸水がたまることでさらに呼吸が苦しくなります。体重減少や脱水症状も見られるようになります。
末期	呼吸が非常に困難になり、酸素不足からチアノーゼ（舌や歯茎が青紫色になる状態）が現れることもあります。全身状態が悪化し、衰弱が進みます。

縦隔型リンパ腫になった猫の生存率・余命

猫の縦隔型リンパ腫は無治療の場合、生存期間は数週間から数ヶ月と非常に短いです。

一方、化学療法などの治療を行った場合は、90％程度の猫で寛解が得られたという報告があります。

ただし、完全に治癒することは稀です。あくまで、症状や異常を抑えこむことを目的に治療を行います。

治療を行った場合、余命は6ヶ月から1年程度まで延びる可能性があります。中には3年以上生存した猫もいます。ただし、個体差が大きく、治療に対する反応によっても異なります。

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縦隔型リンパ腫になった猫はどのような最期を迎えるのか

縦隔型リンパ腫になった猫の最期の段階では、呼吸困難が非常に深刻になり、酸素吸入が必要になることもあります。胸水がたまることでさらに呼吸が苦しくなり、全身状態が悪化します。

衰弱が進み、食欲が完全になくなることも多く、最終的には呼吸不全や多臓器不全により亡くなるケースが一般的です。

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猫の縦隔型リンパ腫の原因

猫の縦隔型リンパ腫の原因ははっきりとわかっていませんが、遺伝的要因やウイルス感染（たとえば猫白血病ウイルス）が関与している可能性が指摘されています。

また、環境要因や免疫系の異常も発症に関与していると考えられています。

猫の縦隔型リンパ腫の検査・診断方法

猫の縦隔型リンパ腫の検査・診断には、以下のような方法が用いられます。

X線検査	胸腔内の腫瘍や胸水の有無を確認します。
超音波検査	腫瘍の大きさや位置を詳細に調べます。
細胞診	胸水や腫瘍の細胞を採取し、顕微鏡で確認します。
血液検査	全身状態や炎症の有無を評価します。

猫の縦隔型リンパ腫の治療方法

猫の縦隔型リンパ腫の主な治療法は化学療法です。抗がん剤を使用して腫瘍の増殖を抑えます。

ステロイド療法も併用されることがありますが、単独での効果は限定的です。胸水がたまっている場合は、胸腔穿刺で除去することもあります。

猫の縦隔型リンパ腫を未然に防ぐには

猫の縦隔型リンパ腫の予防法は確立されていませんが、以下の点に注意することで早期発見が可能です。

• 猫の様子をよく観察し、呼吸の異常や食欲の変化に気づく
• 定期的に健康診断を受け、早期に異常を発見する
• 猫白血病ウイルスの感染を防ぐため、ワクチン接種を受ける

猫の縦隔型リンパ腫に関するよくある質問

まとめ

猫の縦隔型リンパ腫は、進行が早く命に関わる重大な病気ですが、適切な治療を行うことで、寛解や長期生存を目指すことも可能です。

初期は軽い咳や呼吸の異常といった症状から始まり、末期には呼吸困難や衰弱が進行します。特に若い猫に多く見られる病気であり、猫白血病ウイルスなどが発症に関与している可能性もあります。

「呼吸が荒い」「胸にしこりがあるような気がする」など、少しでも異変を感じたら、できるだけ早く検査を受けることが重要です。

治療に不安がある場合や他院での効果が見られない場合は、犬猫の腫瘍において1000症例を超える治療実績のある当院までご相談ください。愛猫にとって最適な治療方針を、一緒に考えていきましょう。