「犬のリンパ腫は健康診断で血液検査をすればわかる？」と疑問に思う飼い主さんも多いでしょう。

結論からいえば、犬のリンパ腫は健康診断の血液検査だけではわかりません。ただし、傾向・数値異常から、リンパ腫を疑うきっかけとなるケースはあります。

この記事では、健康診断の血液検査にて犬のリンパ腫はどこまでわかるのかを解説します。

愛犬がリンパ腫でないかどうか不安がある場合は、ぜひ当院にご相談ください。当院には腫瘍専門医が在籍しており、精度の高い検査・診断が行えます。他院での診断結果に不安・疑問が残る場合のセカンドオピニオンにも対応しているので、まずは愛犬の状態をお聞かせください。

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犬のリンパ腫は健康診断の血液検査でわかる？診断はできないが疑いはかけられる

健康診断の血液検査で、犬のリンパ腫を診断することはできません。

しかし、数値の異常によって、リンパ腫含めて腫瘍の可能性もあると疑いをかけることはできます。

肝臓や腎臓など、リンパ節ではない臓器にリンパ腫ができたとき、臓器がリンパ腫によって侵されることで、肝数値や腎数値の上昇が認められることがあるからです。

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血液検査でどのような傾向・数値異常があったら犬のリンパ腫が疑われるのか

血液検査で犬のリンパ腫を診断することはできませんが、以下のようなリンパ腫を数値異常から疑うことはできます。

• 多中心型リンパ腫、胃腸管のリンパ腫、皮膚リンパ腫
• 肝臓や脾臓のリンパ腫
• 腎臓のリンパ腫

多中心型リンパ腫、胃腸管のリンパ腫、皮膚リンパ腫の場合

多中心型リンパ腫、胃腸管のリンパ腫、皮膚リンパ腫では、多くの場合、血液検査に異常が出ることはありません。しかし稀に、貧血や高カルシウム血症などが認められることがあります。逆に、貧血や高カルシウム血症などを示す数値が出たときには、予後が悪いリンパ腫の可能性があるため注意が必要です。

肝臓や脾臓のリンパ腫の場合

肝臓や脾臓のリンパ腫の場合は、血液検査で以下が認められることが多いです。

• 貧血や血小板の減少
• 肝数値上昇
• 高ビリルビン血症

腎臓のリンパ腫の場合

腎臓のリンパ腫の場合は血液検査にて、窒素やクレアチニン、リン、カリウムなどの上昇といった、腎機能低下を示唆する所見が得られることが多いです。

犬のリンパ腫を診断するために行う血液検査以外の検査

犬がリンパ腫かどうかは血液検査だけではわからないため、以下のような検査で診断を行います。

• レントゲン・超音波検査
• 針生検・病理検査

レントゲン・超音波検査

レントゲンや超音波検査では、リンパ腫を確定診断することはできませんが、リンパ節の腫大や腸管壁の肥厚、肝臓や腎臓含めた臓器の異常所見を発見することができます。

細胞診検査・病理検査

細胞診検査および病理検査は、リンパ腫の確定診断です。

細胞診検査は、以下のようにリンパ腫が疑われる場所に応じて行います。

状況	選択される生検	内容
リンパ節が腫れている場合	針生検	リンパ節に針刺して細胞を取る
肝臓などの数値が高く肝臓のリンパ腫が疑われる場合	針生検	肝臓に針を刺して細胞を取る
皮膚のリンパ腫が疑われる場合	パンチ生検	皮膚組織を円形に切り取る
腸管壁が腫れている場合	組織生検	内視鏡下で一部の組織を取る

上記で採取した細胞を病理検査に出すことで、リンパ腫の確定診断ができることがほとんどです。

まとめ

血液検査に異常が出る犬のリンパ腫もありますが、実際のところ、健康診断の血液検査だけでリンパ腫を診断することはほとんどできません。

ですが、

• 多中心型のリンパ腫なら触診から
• 胃腸のリンパ腫なら症状から

など、毎日の生活の中での異変や、病院に行った際の触診で、「怪しい」と気づくケースもあります。

ですので、おうちでは毎日の排泄の様子に異変はないか、身体のしこりがないかなど、観察やスキンシップを意識しましょう。1年に何度かは動物病院でお話しすることで、より早期での発見のきっかけになるかもしれません。

犬のリンパ腫に関して少しでも不安に思うことがあれば、ぜひ当院までご相談ください。

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